右腕プログラム(終了)

概要

右腕プログラムは、「震災復興リーダー支援プロジェクト」の中核事業です。東北の復興に向けた事業・プロジェクトに取り組むリーダーのもとに、その「右腕」となる有能かつ意欲ある若手人材を派遣。2015年7月時点で、119のプロジェクトに214名の人材を送り出しています。
右腕受け入れ先へのアンケートでは、2015年5月現在、「地元には少ない能力やスキルを持った人材をプロジェクトに投入できたい」「困ったときに相談できるパートナーができた」と、約9割のリーダーが回答。
派遣された右腕にとっても、復興への貢献機会となるだけでなく、キャリア開発の機会となることを目指しています。

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プログラムの特徴

■地域と日本の未来を創る厳選されたプロジェクト
震災から5年目を迎え本格的な復興期となり、地域に求められるプロジェクトの質も変わってきています。持続可能性、地域社会や未来の日本への波及効果等の視点で、優れたミッション・ビジョンを描いているプロジェクトを選抜しています。

■リーダーと共に、一年間、現地にコミット
一年間、現地で推進されている事業に役割を持って関わり、目的に向かってから自ら考え、行動し、チームと共に事業を推進する担い手が、「右腕」です。担当コーディネーターがリーダーにヒアリングし、必要な人材ニーズを明確にしていくプロセスを経て、適切な人材マッチングができるようにサポートしていきます。

■100名を超える、右腕コミュニティ
年に3回開催する右腕向けの集合研修、SNSの専用グループでの交流など、東北で活躍する現役右腕・OBOGあわせて111名(2014年12月末時点)の情報交換の場を提供しています。活動期間中に直面する課題に対して、どんな戦略的アクションを起こせばいいのか、共に考える仲間となっています。

■挑戦を支えるサポートの仕組み
単身で地域に入った右腕人材が抱える課題や悩みを担当コーディネーターが定期的に面談する体制を確立しています。また、事業ブラッシュアップ、ブランディング、プロジェクトマネジメント、食品衛生管理など、大手企業や専門家の知見を活かした研修も開催しています。

活動先プロジェクト

未曾有の大震災を経験した東北には、覚悟を持ったリーダーや、彼らが取り組むユニークな事業が多数生まれてきています。地域内でのエネルギーや経済の循環モデル、豊かな素材を活用した農業漁業の六次産業化、高齢化に向けた新たな地域医療・福祉の取り組み、そして、未来を担う子どもたちの育成など。地域の資源を活かし、地域に新たな経済や豊かな暮らしを創り出していく。人口減少社会に突入した日本の他地域、そして海外諸国にとっても、これからの社会の方向性のヒントとなるような事業が生まれています。

1.産業 ~地域資源を活かした新しい経済の創出~

・フィッシャーマンジャパン(宮城県石巻市・塩竈市・南三陸町等)
本来ライバルである他地域の漁師や魚屋、今まで関わった事もないIT関係等の地域や業種の枠を超え、
カッコ良くて稼げて革新的な漁業を目指す。
・東北開墾「東北食べる通信」(東北全域)
東北のこだわりの生産者の特集記事と彼らの作る食材をセットにした“食べ物つき情報誌”を家庭に届け、
地方の生産者と都市の消費者をつなぐ。
・復興支援センターMIRAI(福島県相馬市)
住民や事業者のニーズや課題を整理・データ化し、内外の豊富なリソースを集め「そうま未来づくり
ミーティング」から地域の産業再生を目指す。

2.暮らし ~人口減少社会を生き抜く新しい地域の暮らし方~

・りぷらす(宮城県石巻市)
高齢者を対象とした健康サポーター事業(リハビリ・予防)を通し、地域の介護保険認定の減少、
社会保障費軽減、健康寿命の延伸を目指す。
・おはなしころりん(岩手県大船渡市)
小学校、子育て支援団体、仮設住宅を訪問し、本の貸し出しと読み聞かせを行い、心の傷を癒し、
豊かな人格形成とコミュニティ立て直しに寄与。
・ISHINOMAKI2.0(宮城県石巻市)
地域自治システムサポート事業を中心に、協議会など住民が主体的に活動できる場や
チームづくりなど、石巻市との協働のまちづくりを行う。

3.教育 ~未来をつくる子どもたち~

・TEDIC(宮城県石巻市)
震災後、中学校で不登校になった生徒の割合が、全国ワーストとなった宮城県。
心の不調を訴える小中高校生の学習支援と居場所づくりを行う。
・コラボスクール(岩手県大槌町、宮城県女川町)
被災地となった東北で、高校生が地域のために活動するマイ・プロジェクトをとおし、
地域を支えるリーダーを生み出す、最高の教育機会を創る。
・南相馬ソーラーアグリパーク(福島県南相馬市)
自然エネルギーの体験学習により、自ら考え行動する力を育むほか、人材育成スクールで
社会的事業を立案・実行。復興の担う人材を育成する。

各地で活躍する右腕たち

pic-kobi●小尾勝吉さん 〔東北で起業(右腕→リーダー)〕
2012年4月~2013年1月まで、一般社団法人MAKOTOに所属し、「右腕」として活動する。被災地域の経営者支援、起業支援を担当。被災地域を回る中で、一人暮らしの高齢者の生活に危機感を肌で感じ、要介護高齢者向けの配食サービス「愛さんさん宅食」を塩竈市で創業。40名のスタッフのうち20名は障碍者を雇用している。また、2店舗の立ち上げに際し「右腕」も参画し活躍した。現在、事業強化の為、2人目の右腕も募集中。
参考記事:要介護高齢者向け配食サービスで、地域の健康をまもる
参画プロジェクト:MAKOTOプロジェクト

pic_murai●村井香月さん 〔東京から応援〕
大学卒業後、大手旅行会社勤務を経てフェアトレードブランドにて日本にフェアトレードを広めるべく奮闘。震災を機に退社、復興ボランティアを経験した後、2011年9月~2012年8月まで、「南三陸復興アトリエプロジェクト」に「右腕」として参画。キャラクターのグッズ製作・販売をする団体で、商品開発、販売促進、生産管理に従事。現在は民間企業で、本業を通じて南三陸町に関与し続ける。2014年より南三陸町復興応援大使。
参考記事:「休職して、被災地で1年間働いてみて」右腕プログラムOG座談会・前編
参画プロジェクト:南三陸復興アトリエプロジェクト

pic_kaikon_suzuki●鈴木英嗣さん 〔経験を活かして独立〕
幼少期をオランダ・イギリスで過ごした経験から旅に魅了され、大手出版社にて7年間、旅行情報誌の編集に従事する。2013年10月~2014年10月まで、NPO法人東北開墾の「右腕」として、『東北食べる通信』の企画・執筆・撮影・デザインなど編集・制作や、WEBサイトとその会員コミュニティの運営を担当。企業・団体と連携を図りながらの会員獲得プロモーションにも取り組んだ。現在は独立して、出版レーベル「旅とロック」を立ち上げ。旅をテーマに、地域独自の文化にフォーカスしたメディア開発に取り組んでいる。
参考記事:「地域の資源を生かして、新しい商品・サービスを生み出す仕事」
参画プロジェクト:日本初の食べる情報誌『東北食べる通信』

pic_kato●加藤裕介さん 〔東北で働く(継続雇用)〕
横須賀市出身。大学在学中、ETIC.を通して、株式会社ワーク・ライフバランスでのインターンシップに参加し「アントレプレナーシップ」に触れる。大学卒業後、大手コンサルティング会社に入社するも1年で退社。2012年4月~2012年9月まで、一般社団法人Bridge for Fukushimaに右腕として参画。福島県相双地区の視察プログラム「ヒューマンツーリズム」、高校生の実践型社会課題解決プロジェクトなどをつくった。2014年12月からは復興庁福島復興局政策調査官も兼任。
参考記事:福島を知りたくて。会社を辞めて、右腕に。
参画プロジェクト:Bridge for Fukushima

pic_ochiai●落合孝行さん 〔現役右腕〕
島根県奥出雲町出身。福祉の専門職を目指して岡山県の短大で2年間介護福祉を勉強。地域の誰もが自分らしく暮らせるまちづくりに興味を持ち、社会福祉士となる。震災後、取り組まれてきた福祉の形を学びたいと奥出雲町役場を退職し、2014年5月から、一般社団法人りぷらす「地域健康サポーター推進事業」の「右腕」として参画。介護予防の為の基礎知識と、基本の体操を地域の方に学んでもらう養成講座の立ち上げを担う。いずれは地元に戻り、同じように地域の人の健康を支える事業の立ち上げたいと考えている。
参画プロジェクト:地域健康サポーター推進事業(石巻市)

詳しくはこちら➡みちのく仕事

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