2013年度より人材への投資を持続可能なものにしていくために、人材の発掘・育成・支援に取り組むハブ機能を東北各地で強化していくための事業にも着手しています。新しい東北、そして地域社会のモデルを生み出していくチャレンジに加わる人たちの層を厚くしていくため、活動してまいります。
ニューオリンズはなぜ「起業家のまち」と呼ばれるようになったのか?
米国史上最悪の自然災害ハリケーン・カトリーナから10年を迎えるニューオリンズは、全米の中でも有数の“起業しやすいまち”に変貌を遂げています。それはデータにも現れており、成人人口10万に占める新規創業者の割合は、全米平均よりも56%高くなっています。なぜこのような成果が生まれているのか。ニューオリンズ復興を牽引したコミュニティ財団や、地域の合意形成をサポートするデータセンター、社会的事業のインキュベーションに取り組む団体など、多様なハブ機能を担う民間リーダーたちとの相互交流の中から、東北におけるハブ機能強化のヒントを探っています。東北からは8地域のリーダーが参加し、2年目となる2014年度は米国リーダーが東北を訪れ、意見交換会やフォーラムを開催しました。
中長期的な東北復興を担っていく、モデル的ハブ機能の強化支援を開始。
被災各地域では、地域の事業者による事業再開や新規事業への取り組み、新たな起業家による新規事業への取り組み、さらには地域住民が主体となったプロジェクトなど、様々な動きが行われています。また、未来の担い手となる地元の高校生たちの地域内での主体的な取り組み、新たなUIターン層の巻き込み、新規創業者の発掘など、人材への投資に向けた動きも始まっています。こうした取り組みを活性化させていくためにも、地域の課題やニーズ、ビジョンを踏まえ、地域の担い手発掘・育成・支援に取り組む「ハブ機能」が今後ますます重要性を増していきます。東北に「ハブ機能」のモデルをともに生み出していくために、2014年度より4団体への活動資金の一部を助成させていただくと同時に、私たちが持つネットワークやノウハウの提供を進めています。
東北を地方創生の「学び舎」に。
東北の復興に携わる17名の仲間とともに、東北オープンアカデミー実行委員会を立ち上げました。3.11以降、東北からは様々な取り組みが生まれてきました。その中には、震災以前から抱えていた、人口減少・高齢化・産業の衰退などの課題に対して、新たな方向性を示しているものも少なくありません。それらの現場を学びの場とし、所属や立場の垣根を超えた人々が東北に集まり、より豊かな未来のかたちを探り、実践していくためのプラットフォームを育てていきます。第1期目は30の現場を舞台に2泊3日のフィールドワークからスタートし、6月には参加者全員が集うカンファレンスを開始します。また、アカデミー参加費の収益分を全額、公益財団法人地域創造基金さなぶりに寄付をし、このプラットフォームから生まれる新たな挑戦への支援金としていきます。